2015 S-GT Rd.2 富士スピードウェイに参戦しました
2015年5月2日~3日、S-GT 第2戦(富士スピードウェイ)に参戦しました。3月20日、同じ富士で行われたメーカーテストの日とは打って変わって晴天のゴールデンウィーク、期待は高まる。
今回のページでは、ピットやレースの状況を多数の写真で紹介しています。コメントを見ながらお楽しみください。
〔お断り〕
本ページの作成に当たり、写真家 小川良文様、菊山英志様よりご提供いただいた写真を多数使用しました。各写真の右下に「Copyright」を表示してあります。ご提供ありがとうございました。本ページを借りてお礼申し上げます。
疾走する #9 PACIFIC マクラーレン with μ's。背後はGT500クラスの #19 WedsSport ADVAN RC F。
研修前日の4月30日昼過ぎ、先に荷物を運んでもらうトラックへの積み込みが始まる。
マシンはトラックのリヤゲートに「歩み板」でスロープを作り、皆で押して入れる。
5月1日、翌朝の午前10時過ぎ、ピットへの搬入が始まる。今朝は5時半にNACを出発、サーキットへは9時50分に到着した。
下ろしたマシンは手で押してピット内へ。
荷物の搬入と整理、パーティション作成と慌ただしい。
11時過ぎ、ヨコハマタイヤのタイヤサービスには早くもたくさんのホイールが置かれていた。遠くに残雪の富士山が見える。
給油タワー、ホースの準備を進めるメカニックの三谷さん。
マシン下で先ず取りかかるのは、コーナーウェイトゲージを設置する定盤作り。手前は3年生の山崎君で、作業手順もしっかり身についています。
ホスピタルテントの前にパンフレットを置いてお客様のお出迎え準備完了。
練習走行前の細かい作業。
ホイールとナットの当たり面に「WAKO'S スレッド コンパウンド」(超耐熱潤滑油、焼付き防止剤)を薄く塗布する。
WAKO'S(ワコーズ)さんは、2015年シーズンのスポンサーになっていただいている。
車検場へ皆で押していく。
GTAによって給油タワーの検査が行われる。
5月2日、ドライバー用のドリンクボトル。ドライバーは走行中、このチューブを吸ってドリンクを飲む。
出走前、インパクトで締め付けたホイール・ナットの最終締付けチェックを大型のトルク・レンチで行う。
ピットサインエリアの様子。サインエリアには3台のモニターがあり他チームの順位やタイムがリアルタイムに表示される。ここを起点にサインボードでドライバーに指示を出す。
エアチェックをするタイヤマン松田さん(通称「兄貴」)。タイヤの種類、その日の気温、路面状態などで微妙に調整エア圧は異なる。
エアチェックと言うが、実際には空気の替わりに圧縮窒素ガスを充填している。窒素を入れるのは色々理由があるが、レーシングタイヤでは 1.空気充填に伴う水蒸気の充填を減らせる(温度による内圧上昇を少しでも押さえられる)、2. バースト時に燃えにくい? などと言われている。
走行後のスリップタイヤ表面。表面のコンパウンド(タイヤの接地面に使われる素材)は走行中の熱で溶けて路面とのグリップを良くする。こちらも気温や路面温度、タイヤ負荷などで大きく影響を受けるので、タイヤの選択は作戦上の最重要な要素だ。
ファンにラブライブ! シールを配る東選手。
ピット内からピットロードを見るとこんな感じ。
練習走行中のマクラーレン。
ピットインに向けての練習を始める。
ピットインでのドライバー交替、タイヤ交換などの一連の作業を訓練する。
タイム目標を決めて何度も繰り返す。
5月3日、給油ボトルからの給油作業。
ピット内で燃料を伴う作業を行う場合は、万が一に備えて消火器を構える。
決勝前のフリー走行に向けて準備をするメカニック達。
いよいよピットから出る。
ピットレーン入り。
フリー走行開始。
フリー走行でアクシデント発生。ディフューザーを修理する。
走行中は砂塵やタイヤのコンパウンドが飛んでくる。ピットインしたら清掃。
バンパーが痛んだので応急のラッピングを行う。
デザインに合わせて器用にシールを貼っていくメカニックの竹島さん。
決勝前のピットウォークでファンに対応する白坂選手。
決勝に備えヘルメットの最終チェックをする白坂選手。
ちょっとした風景。給油タワーに鯉のぼりが掛けてあった。
走行中のマクラーレン。
走行中のマクラーレン。
走行中のマクラーレン。
走行中のマクラーレン。
走行中のマクラーレン。
走行中のマクラーレン。
ピットインでドライバー交替(白坂→東)、タイヤ交換を行う。
走行を終えヘルメットを外す白坂選手。
モニターを見る白坂選手(手前)と山脇選手(奥)。
今回のピット研修に参加した学生三人。左から山崎君(三年生)、斉藤君(二年生)、橋本君(二年生)。
今回のレースでアクシデントが二つ発生した。何れも決勝日の5月3日、最初は午前中の練習走行の5ラップ目、右リヤのタイヤハウス付近から出火した。原因はブローバイからのオイルがディフューザーの中に溜まって、これにエンジン付近の高温が作用して発火したようだ。ブローバイホースの先が上手く外部に出ていなかったためだと思われる。幸い火災は大したことなく午後の決勝に臨むことは出来た。マクラーレンMP4-12Cのエンジン・ルームはターボや排気系統が所狭しと配置されていて、しかも冷却効果があまり良くない。この後のレースでも暑さ対策には悩ませれる。
二つ目のアクシデントが致命的となった。47ラップ目、油圧が上がらなくなりエンジンが停止した。油圧が上がらないとエンジンを壊すため、マクラーレンのシステム自体がエンジンを停止させた。原因はオイル・ポンプかと思われるが、分解してみなければ分からない。今回は残念ながら完走できなかった。